ITスキルって演繹的?帰納的?




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こんにちは。プロクラスの吉田です。

ヨシダミツヒロ(@milan40920)

今日は「ITスキル」を別の切り口から考えてみたいと思いますので、興味ある方は少しお付き合いください。

演繹法と帰納法

早速ですが、物事の考え方は基本的に二つあると言われます。

それは「演繹法(えんえきほう)」と「帰納法(きのうほう)」という考え方です。ご存知でしょうか。

抽象化と具象化という言い方もありますが今回は別な切り口として)

「演繹法」を簡単に言うと「既に法則や考え方があるものを当てはめていく」方法です。

例えば、テストなどで問題が出題される場合、テストの前に先生が教えてくれた公式やパターンをあてはめると解ける訳なのですが、これが僕たちが学んできた学校や塾での学習方法です。

この方法は既に正解がある。

それに対して「帰納法」という考え方は「あらかじめ答えは用意されていないものを仮説を立てて見つける」考え方です。

全く逆の考え方ですね。これはどんな結果になるか分からないわけです。

どうやって答えを探すかを考えるところから始まります。

まずは「これかもしれない」と思う仮説を立てて、材料集めを行い、これでいいのかなと思いながら、試行錯誤しながら集めて、眺めては法則性を見出して、それが正しいか分からないけど、答えを導き出していくという考え方です。

この二つの考え方は長短あります。

演繹法の長所「効率化」「合理化」といえますし、短所は結果の「答えがない」と考えが進まない

帰納法の長所「答えのないものを見つけ出せる」といえ、短所「非効率」「非合理」です。

どちらがいいというわけではないので、うまく使い分けないといけないと考えています。

演繹法について

まずは演繹法。

これは先ほど書いた通り、簡単に言えば今まで僕たちが「学校で学んできた方法」です。

まず公式やケーススタディを学習し、その後は応用としてその公式やケーススタディを活用しながら回答を導く。

日本の教育が、基本的に演繹法で行われているため、多くの人々は自然とこの方法で考えてしまう。

問題を見ると、一見新しい答えが求められているかのように感じるのですが、既に習ったパターンで結果的にある答えに導かれていくわけです。

イメージ的には、釈迦の手のひらの中から出られない孫悟空のように、新しい答えを求めようとしても「既にある正解」を答えなければならないようにできている。

逆に言えば、正解のわからない問題とかいろんな選択肢のある答えは、そう取り上げられることがないのが学校教育ということになります。

別の見方をすると演繹法は、結果が先にあって、そこにいかに早くたどり着くか考えていく方法ですから、合理的、効率的ですね。

算数や数学はこの方法で解くようにできていると思いませんか? 既にある理論(公式や方程式)で解を見つけるように。

これは、こんな風にも言えます。

「隠された必ずある答えを既にある理論で求める」

これを見ると、公式や理論がないと思考がストップしてしまいそうですね。

答え以外の可能性を見出し、答えを超えていく思考ができないのはこれからの新たな時代を生き抜く力が必要な世代には不利かもしれません。

なぜかというと、この演繹法では「結果や理論のないものを導き出す」ことができないからです。

これを打破する方法が、帰納法です。

帰納法について

この帰納法は現実から答えを導き出していく方法というのがわかりやすいかもしれません。

演繹法が算数、数学のようだと言いましたが、帰納法は理科の実験のように、現実の事実を集めていきながら答えを導き出していく方法です。

現実で起こる実験を繰り返していき、結論を探すため、とても効率が悪く、時間がかかることや、一部の現実から結論を求めていくため、結論が偏ったり間違っていたりする考え方だとも言えます。

しかし、新たな結論が生まれたり、具体的な要素をかき集め、考え出すため、仮説を立てる癖や、考える習慣が身につき、思考することで脳が鍛えられるのが帰納法でもあります。

これは、先ほどの演繹法で書いたように「答えを超えていく思考」が備わります。

まとめ

読んでいただいた通り、どちらもが補完関係にあるため、使い方を理解して、演繹法と帰納法どちらも有効に使えるようになることが今後の日本の未来を変えていくためには必要です。

演繹法と帰納法を同時に学べるものとして、プログラミング学習があります。

これは、目的となる事象を抽象的なものから具体化させ、理論的に公式やパターンを見出し、それを利用しながら効率的に組み上げる一方、答えのないものを事実に基づいて仮説を立てながら実験を繰り返し、ビルドアップしていく工程が「プログラミング」です。

そう思うと、世界各国が取り組むプログラミングブームは、子供達が演繹的かつ帰納的に、柔軟な思考で考えていける訓練になるのも少し理解できる気がしてきますね。

既にある理論や公式を組み合わせて答えを求めていく合理的、効率的な能力を備えつつ、現実の情報を収集しながら、仮説を立てては実施し、改善していくPDCAを回すことが重要です。

プログラミングだけではなく、情報処理の世界では、理論を当てはめながら効率的にライブラリと呼ばれる、公式や方程式を使って最短距離で既存の答えを求め、一方では事実の元となるユーザーの行動データからマーケティングを行い、出来上がったきゅうりの画像を集め、機械学習を活用し、新たな労働を発見することができる、それが演繹法と帰納法を備えたハイブリッドなものとしての位置づけとなる存在が「ITスキル」なのかもしれません。

是非今年その「ITスキル」を手に入れてください。

何かに触れる際、是非演繹法と帰納法を意識すると面白いかもしれません。

この話は演繹的でしたかね。。

ではでは。

ヨシダミツヒロ(@milan40920)

※最後に、演繹法と帰納法の使い方については個人的な見解であり、公式な理解に乗っ取ったものではありません。ご了承ください!