動画編集ツールは何がいい?Adobe Premiere ProとCapCutを比較してみた




こんにちは、プロクラスの和方です!

ここ最近、生徒様向けの動画授業を行う関係上、編集ツールを調べる機会がありました。
私はもともとAdobeユーザーでありPremiereやAfter Effectsを使っていたんですが、最近の中高生がどんな方法で動画編集をしているかを調べることで、今まで知らなかったフリーのツールが色々と見つかりました。
そのツールの多くがとてもハイクオリティで使いやすいことがわかると同時に、やはりプロのツールにはそれなりの自由さや高額なりの強みがあることがわかり、とても勉強になりました。

今回は動画編集ツールの王道でもある「Adobe Premiere Pro」と、スマートフォンでハイクオリティな動画編集がでできる「CapCut」を使い比べてわかった、それぞれの強みや苦手なところをご紹介したいと思います。

それぞれの強み

Premiere Pro

1.細かい設定ができる

Premiere Proの特徴として挙げられるのが、映画やドラマなどの映像作品をハイエンドなクオリティで制作できるという事です。
カットの秒数や絶妙な色調など細かな調整が作品の世界観を左右することも少なくありません。
またフレームレートの調整ができるので、映画、テレビなどメディアによって作品を作り分ける事ができます。

2.Adobe製品同士の連携が可能

他の動画編集ツールと比べてPremiere Proが持つ大きな強みの一つが、“Adobe製品である”という事です。
特にAfter Effectsとの連携はその代表的なもので、After Effectsで作成したトランジションやアニメーション素材などを読み込んだ作品は多くあるでしょう。
またそのAfter Effectsの素材はIllustratorで作られていたりもするので、Adobe製品同士の連携はより幅広い動画制作にはなくてはならない要素かもしれません。

CapCut

1.手軽にクオリティの高い動画が作れる

スマホでの動画編集を最初に行った時に一番驚いたのは、その使いやすさと動作の軽さでした。
PCでの動画編集では「レンダリング」という工程があり、エフェクトや色調補正などを行った動画をプレビューするために一度書き出しのような作業をする必要があります。
CapCutなどの動画制作ではこのレンダリングが省略(もしくは高速で行われている?)されており、編集した動画をすぐにプレビューできるのはとても嬉しい要素です。
またエフェクトやトランジションも充実しており、誰でもリッチ感のある動画が作成できるのがメリットと言えます。

2.無料

「強み」と言われて思いつくのはなんと言ってもこれではないでしょうか…!
ハイエンドな動画編集ツールはやはりどうしても費用がかかりますが、CapCutに限らずスマホでできる動画編集ツールには無料のものが多く、これから動画編集を始めたい人にとってはとても嬉しい事なのではないでしょうか。

それぞれの苦手なところ

Premiere Pro

1.UIを理解するのが大変

今でこそ私も理解できるようになりましたが、私がPremiere Proを使いはじめた頃はUIが複雑でとても苦労しました。。
「なんで画面が二つあるの?」とか「素材の大きさはどうやって変えたらいいの?」など、ちょっと進んでは調べる事の繰り返しでした。
動画編集が初めての人にとってはこのハードルが最初の挫折ポイントにもなるかもしれませんので、わかりやすい本を探したり、誰かに教わるなどすることをお勧めします。

2.お金がかかる

先ほども述べましたが、多くのスマホでできる動画編集ツールは無料のものが多く、それと比較すると有料のツールは月々数千円〜1万円近くの金額がかかり、購入をためらう人も多くいるのではないでしょうか。
ただAdobeなどは学割などもききますので、学生の方はご利用してみてはいかがでしょうか?

CapCut

1.自作できる範囲が限られている

先ほども述べましたが、CapCutを含む昨今のスマホ動画編集ツールには豊富なエフェクトやトランジションが揃っており、豪華な演出や雰囲気のある動画がお手軽に作成できます。
その反面、エフェクトやトランジションの中身を細かく調整することができないため、他の人と似たような作品になりがちです。
動画によりオリジナリティを求める人にとっては、このポイントは一つデメリットになるかもしれません。

2.カラーグレーディング

少し専門的な話になりますが、多くの映画では撮影素材をLOGというデータで記録しています。
LOG素材はそのままだと彩度の弱いグレーがかった見た目なのですが、白飛びや黒潰れのない素材で、後々「カラーグレーディング」という色調補正を行う事で彩度を引き上げていきます。
映画ではこのカラーグレーディングはとても大切な工程で、映画自体の印象を左右すると言ってもいいでしょう。
Premiere Proなどのツールではこの作業を行えますし、様々なLUT(すでに雰囲気のある色調の数値がセットされているプラグインのようなもの)なども存在します。
より映像で世界観を表現したい人にとってカラーグレーディングを行えないのは、少し物足りないかもしれませんね。

まとめ

さて、今回はPremiere ProとCapCutの良し悪しを比較してみましたが、総論として、どちらも素晴らしいパフォーマンスを出せるツールであることは間違いないと思います。
Premiere Proはプロが使用するツールとして細かく繊細な調整が可能ですし、他のAdobeアプリとの連携がとれるところは特筆すべき魅力と言っていいと思います。
CapCutは無料でお手軽でありながら十分クオリティの高い動画が作れますし、その手軽さから遊び感覚で動画編集を楽しめるのはビギナーの方にとって大切な事であると思います。
どちらも素晴らしいツールですので、是非用途に応じて使い分けてみてください!