今回は現代社会において必要な人材の「ITスキル」について書きたいと思います。
皆さんは「ITスキル」という言葉を聞いた事ありますか?
「ITスキル」って一体なんなんでしょうか。
そもそも「スキル」ってなにかを説明してくださいと言われた時、答える事できないんじゃないかなと。。
実は私もPROCLASSを始める前までは定義が曖昧でした。
ということで、「ITスキル」について一緒に見ていきましょう。
■ITSSとは
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、実は「ITスキル標準(以下、ITSS:IT Skill Standardの略)」というものは、2002年に経済産業省が「IT国際競争力の激化に伴う、IT関連サービスの提供に必要とされるスキルを的確に身につけた、質の高いプロフェッショナルの効率的な育成」
と題して、まとめたものがあります。(ITスキル標準の資料はこちらにあります 現在の最新は2011のV3)
興味のある方は読んでいただければと思うのですが、専門用語や概念的な内容なので、業界以外の方が見ると正直まぁまぁややこしく、わかりにくいかもしれません。。。
とはいえ、一応抜粋して、ちゃんと伝えておくことにしますと、
ITSSの活用目的は、次の2点です。
- 情報サービス産業の人材投資の効率化
- IT関連サービスの提供に必要とされるスキルを的確に身に付けた、質の高いプロフェッショナルの効率的な育成
ITSSの特徴は、次の7点です。
- 情報サービス産業が対象、ユーザー企業でも応用可能
- 職種を11に分類し、さらに35専門分野に細分化(下の図の上二段ね)
- 個人の能力や実績に基づく7段階のレベルを規定(下の図のレベル1〜7ね)
- レベルは、「経験と実績」の達成度指標で評価
- キャリアとそのために備えるスキルを定義
- 参照モデル(自社で必要な部分だけを使用可)として活用
- レベル評価手段として情報処理技術者試験を活用(レベル1〜4)
と書かれていまして、その図を示したものが、こちらです。
■ITSSキャリアフレームフレームワーク(ITSS資料より)
なんかカタカナばかりであまりよく分かりませんよね。。
これらは、ITサービスを提供する会社に向けた基準項目です。
なので、分からなくても大丈夫です(笑)
ITSSとは、要するに何かと?
誤解を恐れずに言うと
「世界の国々に負けないように、これからの日本のITのサービスってこんな能力いるんですよー、全国の会社の解釈を統一してねっ!これみて効率良く人を育ててよねっ!」
という感じです。
今から雇うITの人材、または雇っている人材って「どんなことができるの?どの辺りに位置付けするの?」というものを基準にして行ってほしいんだなーと思うのですが、実際この基準で人材を入れていたり、評価している企業を私は知りません。。
ということで、個人的には「ITSSのキャリアフレームフレームワーク」は全然気にしなくていいと思います(笑)
でも、「スキル」という定義はこの機会に整理し、理解する必要はあると思って、このブログを書こうと思った次第です。
ではでは、重要なことを一緒に整理していってみましょう!
■スキルについて
まず、「スキル」というものを分解して考えてみることにします。
「知識」「経験」「スキル」に分けられると考えます。
・知識とは、
ある事柄について知っている事、知り得た内容。すべての大前提となるもの。
(技術書などからの情報や、人から聞いた情報など)
・経験とは、
実際に見たり、聞いたり、行(おこな)ったりして、まだしたことない状態から、したことある状態にすること。
(自ら体験して具体的なイメージや方法を持ち得て、感覚的に理解している事)
「知識(knowledge)」と「経験(experience)」の違いを示した的確なイメージがありましたのでご紹介しておきます。
■「Buffer」のベル・べス・クーパーさんのblogより
「知識は、既知の点と点の間につながりを構築しない限り、それだけでは役に立たない」ということを表している図だそうです。
なるほど!見事に表現していますね。そして、
・スキルとは、
知識、経験を使い、仕事のパフォーマンス(効率)を上げる能力
ということです。
さらに、スキルは1955年にハーバード大学のロバートカッツ教授という偉い人によって
次のスキルに細分類されています。
・コンセプチュアルスキル(概念化能力)
他者のレベルに合わせて物事を概念化・抽象化するスキル
・ヒューマンスキル(人間理解能力)
仕事で成果を出すための実行力
・テクニカルスキル(専門能力)
仕事をする上で、前提として持っていないといけないスキル
それぞれの例えや、詳しい説明は長くなるので、色々なブログやサイトに書かれているのでググってください。
さてさて、さらに進めると、
上の図は、職位が一般職から経営層になるにつれて、
先ほどの3つのスキルの必要な割合が変化している事を示してるんですねー。
分かりやすっ!
カッツ教授のモデルをもう少しだけ補足しておくと、
IT系の場合、一般社員であれば、業務を遂行するために必要な「専門能力(ITスキル)」の割合が多く必要で、
経営層に近くなるほど、コンセプチュアルスキル
(人に応じて物事を概念化、抽象化して説明できる能力。小学生にも分かりやすくたとえ話なんかで概念的な説明ができるなど)
の割合が増えていってるのに注目です。
でも、よく見てください。
コミュニケーション能力などのヒューマンスキルは、どの役割の時点でも同じ割合で必要とされていることが分かりますね。
人とのコミュニケーション(思いを伝える対話や印象、説得するとか)をする能力ってめちゃめちゃ大切!って事です。
ちなみに、ヒューマンスキルとコンセプチュアルスキルの二つを合わせて、「コンピテンシー」とか呼んだりします。
日本語だと「適格性」とか「責任能力」という意味ですが、言わずもがな専門能力だけあっても仕事でいい成果は出ません。
仕事を遂行する能力は絶対的に必要ですから、コンピテンシーも持ち合わせて行きましょうね。
ただ、ITSSの範囲にコンピテンシーを含めてしまうと人材の定義を共通化する事が難しいため、外すと言われています。
※TISSの資料の中にある全体をビジネス能力と捉えた場合のITSSとコンピテンシーの関係図はこちらです。
■人材モデルを構成するスキルの構造(ITSS資料より)
もう一つは、人材モデルを車に例えたものも分かりやすいので載せておきます。
これは、専門能力にあたるITスキルは、車のエンジンに相当するという考えです。
排気量の大きい大きいエンジンは、力強いスピードを発揮してくれるということですね。
でも、エンジンだけでは効率良く行くことも、目的の場所を設定したり判断したりできないよね。
と考えるとやっぱり経験やコンピテンシーは必要ということ。
はい、もっともです。
やっぱりバランスよくなくっちゃね。
■人材モデルの例
ざざっとお話を進めてきましたが、「スキル」という一言を分解していくと、仕事でどの程度のスキルが必要なのか、成果を出していくためにはどんなスキルがいるのかが見えてくるのではないでしょうか。
なんだか分かったような、分からないような曖昧な感じもしますが。。。
上の図の「ITSS」とかかれたところにある、「ITスキル」と「知識」と、ここにはありませんが「経験」の3つは、
プロクラスでしっかりみなさんに「お教えすることができる」ということです。
プロクラスではこの「ITスキル=エンジン」を備えていただけるように、さまざまな授業を用意して、2015年以降の現代社会における仕事に必要なITSS活用のお力になれるようにしていきたいと思っています。
「ITスキル」は決して目的ではありません。あくまでも手段であり、道具です。
まずは、あなたの目的を明確にしていくことが重要です。
これはプロクラスの「学習マップ」です。真ん中にあるのが「あなたの目的=行きたい場所」。
それを叶えるためのさまざまな「手段=エンジン」がプロクラスというわけです。
誰でもわかりやすく、本当に習得できる「知識と経験」を提供しておりますので、是非あなたのスキルに変えて、社会で活躍していただければ幸いです。
以上、プロクラスの吉田でした。
ヨシダミツヒロ(@milan40920)
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