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●コンピュータの進化?
こんにちは、プロクラスの野間です。
今のコンピュータってすごいですよね表計算に音楽再生に動画再生に3Dに・・・なんだって出来る気がします。
昔のコンピュータでそんなことをしている物を見たことがありません。なぜでしょう?
答えは簡単、「色々な機能が追加されて出来ることが増えた!」・・・訳ではないんです。
確かに、画面の解像度が上がり、表示できる色数が増えるなどはありますが、実はコンピュータの作りや機能はそれほど変わっていません。
恐らく「処理速度向上」と「メモリ容量の増加」の2点ではないかと思います。
何故それだけで出来るようになることが増えるの?と思いますよね。
コンピュータがどうやって絵などを表現しているのかを見ることで考えてみます。
※ここでの「昔のコンピュータ」とはWindows3.1などが売り出されるよりも前、MS-DOS全盛期かそれ以前をイメージしています。
●Computer、日本語ではコンピュータ?、漢字で書くと?
「コンピュータ」は英語の発音をカタカナで表したものですから訳にはなっていません。ネットで調べると「自動計算機」や「電子式汎用計算機」など幾つか訳がありますが、見事に役割を表しているなぁと感心してしまいます。
共通しているのはどれも「計算機」な点です。
計算機といえば電卓ですよね。(ちなみに電卓は「電子式卓上計算機」だそうです)
そう、実はコンピュータとは「高価な電卓」にすぎないのです。
これは非常に重要な点です。つまりコンピュータは数値しか扱う機能がないのです。もちろん文字だって扱えません。
ですが、コンピュータは文字だって絵だって音楽だって扱っています。どういう事でしょうか?
全ての答えは「デジタル」にあります。(最近この単語を聞かなくなりましたねぇ)
●アナログとデジタル
辞書では出てきませんでしたが、私が納得した訳は
アナログ:連続
デジタル:断続
です。
私達が生きているのはアナログの世界です。1と2の「間(あいだ)」が存在します。つまり「繋がっている」ので連続。
対して、デジタルには1と2には「間(あいだ)」がありません。つまり「途切れている」ので断続です。
(これは決して「小数点」があるからアナログなのか〜 の意味ではありません)
無理にイメージ画像にしてみました↓
コンピュータは数値を扱うものなので、デジタル化する事によってコンピュータで扱えるようになる。一時期流行のように使われた単語「デジタル化」、この場合は主に「数値化」の意味で使われていたと思います。
●数値で文字を表現する方法
最も簡単なところで、まずは文字を数値で表現する方法です。
これはルールを決めるだけです。
例えば、
「65」は「A」、「66」は「B」、「67」は「C」・・・とする!
馬鹿にしているのではありません、本当にこうやって決まっているだけなのです。
実際にコンピューターはこのようにして数値と文字の対応ルールのもとに文字を出しています。
●「絵」のデジタル化
1文字毎に数値を割り当てるだけで終わりでしたから文字は非常に簡単でした。では「絵」はどうでしょう。
世の中にある絵1枚毎に番号を決めて・・・なんて出来るわけがありません。
種類は色々ありますが、そのうちの一つを例にしますと、
覚え方としては「絵」を「断続化」してしまえば良いわけです。断続化、つまり分割です。
絵を升目に分割してその部分の色を覚えるのです。皆さんが見たことのある画像で言えばモザイク画像です。
「モザイク画像ってあの何が書いてあるかわからない絵?」と思うかもしれませんが、はい その絵です。
昔、TVのクイズで升目を徐々に細かくしていき、何をしている絵なのかをあてるなんてのがありましたが、モザイク画像の升目をどんどんと細かく、それこそ人間の目では認識できないくらいに細かく区切ればモザイク画像には見えなくなります。が、れっきとしたモザイク画像です。(升目1つの事をドットやピクセルなどと呼んだりします)
ちなみにフルハイビジョンと呼ばれるものは、横を1920、縦を1080の升目に区切っているそうです。
如何ですか?TVを見てモザイク画像に見えますか?
升目に切った1つずつ何色かを覚える
白、白、赤、緑、白、白、青、青・・・升目の数だけ続けます。
もちろん「赤」は数値ではないのでまだコンピュータでは扱えません。では色はどのように覚えるのか?
●三原色
光の三原色って聞いた事ありませんか?「赤」「緑」「青」もしくはRGB(Red,Green,Blue)の事です。
ちなみに、「赤(紫)」「黄」「青(緑)」ではありません。こちらは「色」の三原色です。
TV(ディスプレイ)は光によって色を映し出していますので、光の三原色になるわけですが、この三色があれば理論上すべての色を表現できる事になります。(全て消灯で黒が前提)
赤の明るさ(輝度)、緑の明るさ、青の明るさを数値化して覚える事で点1つの色を表現できるのです。
今の主流は赤、緑、青それぞれの明るさを256段階に分けて0〜256の明るさ表現になっています。
例えば
「R255,G0,B0」ならば明るい赤
「R128,G0,B0」ならば暗い赤
「R255,G192,B192」ならばピンク
「R255,G255,B0」は明るい黄色です。
計算してみるとフルハイビジョンは横縦の升目が1920*1080なので、2073600もの点があります。
その点をRGBの数値で表すので、1枚の絵を表すのに6220800もの数値が並んでいることになります。
絵を高速で切り替えればパラパラアニメのように動画になります。
●デジタル化の利点
このように、コンピュータで扱えているすべてのものは数値化されています(数値しか扱えないので当然ですね)。絵だって動画だって、音楽だって家計簿だって。全て何らかの方法で数値になっています。
だから全て同じように扱うことができるのです。コンピュータでファイル閲覧ソフト(Windowsならエクスプローラー、MacならFinder)を使うと全て「ファイル」として扱えますよね。あれは全部「ただの数値」を覚えている塊として扱っているだけです。
また、全て数値ですので、比較的簡単に技術の流用が出来たりします。
最もわかりやすいのが圧縮でしょう。コンピュータでの圧縮は数値を圧縮するものですが、何度も書いた通り、コンピュータは数値しか扱えませんので、実質全てのものが圧縮出来ることになります。音楽だって動画だって圧縮出来るのです。
情報劣化もありません。絵画などは時間がたてばどうしても色あせてしまいますが、デジタルは数値ですので、「125」はいつまで経っても「125」のままです。
(※記録メディア(CDやDVD等)の劣化は存在ます。実は寿命は非常に短かったりします)
デジタルスゲーなのは間違いないのですが・・・
勘違いしてはいけません。
私も知人に言われるまで考えもしていませんでしたが、デジタルでは絶対にアナログには追いつけません。
デジタルは劣化しないと書きましたが、アナログをデジタルにする時点で致命的な劣化が起こっている点を忘れないでください。
画像をデジタル化する時に「切った」白と赤の「間(あいだ)」です。
一度デジタル化してしまうと、その「間(あいだ)」は計算などで予想する事しか出来ませんが、技術が進んで顕微鏡のようなもので本物の絵を見ると、実はその点と点の「間(あいだ)」にもっと沢山の細かい絵が描いてあった!なんて事があるかもしれないのです。
あくまでデジタルは「アナログを目指している」にすぎません。
●何故昔は無かったのか
なんとなくでもコンピュータが扱っている物をイメージ出来るようになったでしょうか。
最後に余談になりますが、冒頭のお話だけ。
今も昔も数値しか扱えないコンピュータ。では何故昔は無かったのか。
予想ですが、大きな問題点は「処理速度」と「容量」だと思います。
正直なところ、昔のコンピュータは画面全体を高速で書き換えるだけの速度がありませんでした。動画再生が出来るほどの速度が無かったのです。カラーで全画面スクロールするゲームはかなり細工を必要としたのです。
もう一つが容量。
コンピュータのメモリが全部で640KB(0.6MB)だった時代でした。
皆さんが持っている動画や音楽ファイルのファイルサイズはどのくらいか確認してみてください。
さらにそのファイルは圧縮されています。あの時代、解凍しながら再生するだけの性能があったかどうか・・・試していませんが、苦しかったと思います。
記録メディアもフロッピーディスクしかありませんでした。1枚1MB程度です。リアルタイムで読み込みながら・・・なんて速度は無かったでしょう。
どう考えても「使い物にならなかった」から誰も使わなかったのだと思います。
以上、ちょっと長くなりましたが、知ってて得する!?コンピュータの色々スゴイとこ。でした!