こんにちは！プロクラス運営事務局の芦田です。
今回は、3月に終了した発達障害者の方向けのプロクラスの取り組みについてお話ししたいと思います。
発達障害者向けの授業づくり
FACEBOOKではご報告済みですが、プロクラスが株式会社エンカレッジ様と京都府様との協業で、発達障害を持つ若者に対しての特別授業カリキュラムを、2014年12月から2015年3月まで行いました。
発達障害者の中には、十分な学力や学歴はあっても、コミュニケーションが苦手なためにせっかく学んだ経歴を活かせる仕事に就くことができない、という若者がいます。
また、就職できたとしても職種が限られたり等、自立できるだけの収入を得ることが難しかったりするのが現状です。
プロクラスでは、ITのスキルを身につけることで、これまで閉ざされていた職業への活路を見出せるお手伝いができるのではと考え、エンカレッジ様といっしょに特別にカリキュラムをご用意させていただきました。
そして、20代の男性1名、女性１名の方に参加いただけることになりました。
C言語を学ぶ
プロクラスでは、ITスキルアップの題材として、プログラミング言語からウェブ関連、３Dまで幅広いジャンルの授業を行っています。
今回の授業テーマは「C言語」を取り上げました。「C言語」を学ぶことでプログラミングの基礎を学ぶことができ、他の言語への応用もできると考えたからです。
授業期間は３ヶ月間で、1日６時間、週４日のカリキュラムです。
講師は、ゲーム開発で豊富なキャリアを持つ野間陵次先生です。野間先生は、ゲームをやったことがない方でも知らない人でも名前なら知っている超有名なゲーム開発のプログラミングに携わってこられたプロ中のプロです。
C言語の授業カリキュラムは、はじめの2週間でコンソールプログラム（黒い画面に白い英数字の羅列が表示されるまさにプログラミングといった画面で行うプログラムです）、次にWINDOWSでのグラフィックを使ったプログラムを習得し、その後の約2ヵ月間は、課題を出しては、その課題を解決するためのの実践的なプログラミング授業に取り組んでいきました。
今回本格的にプログラミングを学ぶというお二人でしたが、画像表示の初歩的なところからはじまり、最後にはシューティングゲームまでプログラミングが組めるところまで段階を踏んで進めていくことができました。
お二人ともプログラミングはほぼ未経験ですが、習熟度に差はあるものの概ね授業内容を理解いただけて、しっかりと学んでいただくことができました。
女性の方は、これまで学校に通うのも難しく休みがちだったとのことですが、このプロプラスの授業はほぼ休まず参加され、親御さんにも大変喜んでいただけましたし、もちろんご本人にとっても、良い結果となり、非常に自信につながったとおっしゃっていました。
男性の方も非常に勉強熱心で、授業のない日は自ら図書館で復習してくるなど、スキルアップは目覚しいものがありました。私たちが見ていても、なによりプログラミングが好きになってくれて、「自らが楽しくプログラミングを組める」というご自身の発見につながったのがとても嬉しく思っています。
最終的にはシューティングゲームのプログラミングを構築できるまでに成長されております。これは専門学校で学ぶ人たちと比べても遜色ないスキルです。さらに別言語の習得にも意欲を見せるまでに至りました。
3月12日に卒業式を行い、プロクラス責任者の吉田より、修了証書をお渡しさせていただきました。お二人とも非常に充実感あふれ、感極まる様子でした。
今回の取り組みで最も重要な成果は、二人とも仕事に対して非常に前向きに考え、強い自信を持ったことが挙げられます。
男性の方は、授業で作成したシューティングゲームのプログラムをポートフォリオに追加し、IT企業への障害者枠を足がかりに就職へ向けて現在奮闘中。
女性の方には、あえて就職だけにとらわれず、今の時代はクラウドソーシングが盛んなことでもわかるとおり、自分のペースにあった働き方もできることを助言させていただきました。今、得意分野で活躍することを目指して日々精進されています。
エンカレッジ様には、これまでにない成果をだせたことを非常に高く評価していただきました。
私たちプロクラスとしても初の試みで、授業が全うできるか心配したこともありましたが、参加されたお二人の充実感をみていて、今回の取り組みの成功を実感いたしました。
一般社会人や学生向けにはじめたプロクラスですが、いろいろな方面でお役に立てることがわかり、私たちにとっても大変重要な成果となりました。
これからも、ITの授業を通して皆様のお役に立てる授業づくりに取り組んでまいります。
5月からはiOSでつくるゲームアプリの授業や新たなKIDSの授業を開催予定です。
ぜひ、皆様のご参加をお待ちしております。